消えた思い出は今もどこかに@2018/10/20 23:30のPA

楽しかった日に限って、一晩経つとそれらをすっかり忘れてしまう。

大きな、網目の荒いザルにその日の思い出を掬い入れて、でも次の日には網目からスルスルと記憶が零れ落ちていくイメージ。
思い返せば10代前半の頃から私はずっとこんな調子で、大事な思い出、素敵な思い出、今日という日を絶対に忘れないと心に誓えば誓うほど、記憶はどこかに雲散霧消していってしまうのであった。
不思議なもので、漠然とした「楽しかったなぁ」という感情だけはいつまでも残り続ける。しかし実際何が起こったのかはまったく思い出せない。そんなことがよく起きた。

・・・ずっと、自分の頭がおかしいのだと思っていた。
一言で言ったら自分の脳みそが「バカ」なんだなぁと。ある意味ではそんな風に納得していたのだ。私の脳の機能は、人よりちょっと悪いのだ、と。

そしたら今日友達と雑談していて、こんなことを聞いた。
一言で言うと、人は極度の興奮状態におかれると、記憶をうまく保存できないことがあるらしい。きちんと記憶・保存するには、頭が冷静であることが重要なのだと。
ストンと腑に落ちた。自分の実体験と重ね合わせて、納得できた。
あぁ、そうか。そうだったんだなぁ。

どこかに行ってしまったと思ったあの日は、私のとってすごくすごく、楽しかった日だったんだよなぁ。そんな日があって本当に良かったよなぁ。
そんな日に消えていった思い出は沢山、沢山あるけど、きっとまだ心のどこかにあるといいなぁ。
いや、今も心のどこかにある気がする。そんな素晴らしい日が一切消えてしまうわけがないから、どこかに今もあるんだよなぁ。
あぁ、良かったなぁ。